ponnponnchangの日記

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TikTokで話題! 小説「恋に至る病」 感想と考察

TikTokで話題になっている、メディアワークス文庫より刊行された「恋に至る病」という小説を紹介していきたいと思います。

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恋に至る病

作者 斜線堂有紀

刊行 メディアワークス文庫

 

 

1.「恋に至る病」あらすじ

君が地獄に堕ちても、僕は君が好きだ。

やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム「青い蝶(ブルーモルフォ)」。

その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。

善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのかー幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた”最初の殺人”を回想し始める。

「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」

変わりゆく彼女に気づきながら、愛することがやめられなかった彼が辿り着く地獄とは?

斜線堂有紀が、暴走する愛と連鎖する悲劇を描く衝撃作!

 

引用限:恋に至る病(メディアワークス文庫

 

2.「恋に至る病」感想

この本を初めて読んだとき、言葉が出ないほどの衝撃を受けました。

物語序盤は、少年と少女二人のピュアな恋愛を描いており、読み進めていく中でどうすることもできないもやもやを感じ始めました。化物へと姿を変える少女、それでも好きな気持ちを抑えることのできない少年、二人の行き着く運命を数多くの人に見届けてほしいです。

特に物語の最後の4行!言葉には言い表せないほど美しく、そして切ないラストを迎えました。

今から主に最後の4行についての考察をしていきたいと思います。まだこの本を読み終わっていない方は、ぜひ読み終えてから考察を読んでみてください。

 

3.「恋に至る病」考察

物語のラスト4行

この4行に書かれている景が持っていた消しゴムは宮嶺のものでした。

この物語は二つの意見に分かれると思いました。

一つは、景はサイコパスであり誰一人として愛さなかった化物である。

二つ目は、景は主人公の宮嶺だけを愛していた化物である。

私の意見は後者だと思います。

 

主人公へのいじめのきっかけは消しゴムから始まりました。その消しゴムから、景がいじめのきっかけを作ったことがわかります。このことから、主人公は景に利用されていただけであると考えると思います。

では、なぜ景はその消しゴムを最後まで取っておいたのか?消しゴムを捨てるだけで証拠を隠滅できたのではないか?

このことを踏まえて景の気持ちを考えてみると、景は主人公だけにはほんとの自分を受け入れ、愛してほしかったのではないかと考えました。好きだから、愛しているからこそ、自分の本当の姿を認めてほしかったのではないかと思う。

そして、化物へと変わっていく自分の気持ちの中で、主人公を思う気持ちだけは忘れたくない、だから最後まで消しゴムを大事に取っておいたのではないかと思う。

 

この物語は、化物へと姿を変えながらもたった一人の少年を愛し続けたとても切なく、美しい物語だと思います。

 

あなたはどう考えましたか?